2016/02/25

カセットビジョンのカートリッジに関する資料

まずは誰も得しない資料からまとめる。
過去に調べたものは、とりあえずメモとして残しておきます。

※マニュアルをお探しの方は、Internet Archivesにあるようですよ。


チップ番号について

カセットビジョンのカートリッジに内蔵されているものをCPUと呼べば良いのか、ワンチップマイコンと呼べば良いのか判らないが、とりあえずチップと呼んでお茶を濁す。

チップはNEC製で型式『D77xC』となっているが、正式には『uPD77xC』となるようだ。
また、単独のゲーム機としても発売されたTV野球盤とベースボール、TVベーダーとバトルベーダーは同一の番号になっているようだ。

カセットビジョン用として開発されたものについては、全てuPD777Cが使用されており、各ゲーム毎に枝番号がある。
この枝番号が開発順で、抜けている番号がグランドチャンピオンと、開発中止になった何らかのタイトルではないかと思うが真偽は不明。

ゲームのチップ番号は下記の通り

 No.1 きこりの与作:D777C 005
 No.2 ベースボール:D778C
 No.3 ギャラクシアン:D777C 007
 No.4 ビッグスポーツ12:D777C 004
 No.5 バトルベーダー:D774C
 No.6 パクパクモンスター:D777C 008
 No.7 ニューベースボール:D777C 002
 No.8 モンスターマンション:D777C 009
 No.9 アストロコマンド:D777C 010
 No.10 (グランドチャンピオン)
 No.11 モンスターブロック:D777C 013
 No.12 エレベーターパニック:D777C 015


基板番号について

カセットビジョンは既知の情報の通り、ゲーム機本体にCPUやRAMの類を持っておらず、カートリッジ内のチップに全ての機能を有しているが、カートリッジ基板は各ゲーム毎ではなく、ある程度共通化されている。

基板番号及び使用ゲームは下記の通り。

 No.97910
   名称印刷:なし
   使用ゲーム:ビッグスポーツ12

 No.97920
   名称印刷:なし
   使用ゲーム:ベースボール

 No.97930
   名称印刷:ヨサク&TVベーダー
   使用ゲーム:
     きこりの与作
     バトルベーダー
     モンスターマンション
     アストロコマンド
     エレベーターパニック

 No.97950
   名称印刷:なし
   使用ゲーム:ギャラクシアン

 No.97960
   名称印刷:TVパクパクマン
   使用ゲーム:
     パクパクモンスター
     モンスターブロック

 No.97980
   名称印刷:ニューベースボール
   使用ゲーム:ニューベースボール

バトルベーダーとギャラクシアンの基板を分けた理由が謎。


『ヘンコウ』基板

一部ゲームの基板で、『ヘンコウ』と印刷された基板が存在する。
このタイプの基板番号は『979x9』になるようだ。
自分が所有しているゲームおよび、ネット上にアップロードされた写真から『ヘンコウ』基板の使用が確認されたゲームは、
  • きこりの与作
  • バトルベーダー
  • ビッグスポーツ12
以上の3タイトルのみ。
基板の違いは詳しく調べていないが、チップの電源電圧を調整しているのか?
但し、ビッグスポーツ12は『ヘンコウ』基板でも部品は未実装で、回路としては変化が無いようだ。

また、採用された時期もあやふやで、カセットビジョンJr登場後に採用されたわけでもなさそう。
上の写真ように、エレベーターパニックが『ヘンコウ』基板ではなかった。


(調査1)
ツイッターのフォロワーの皆様から協力してもらってカートリッジの分解確認を行ったが、新たなヘンコウ基板は見つからず。

しかし、分解確認の結果、憶測の域を出ないが上記の3タイトル以外で可能性が高いものは
  • ベースボール
  • ギャラクシアン
この2タイトルを含めた「1981年に発売された初期カートリッジのみ」と推測する

その理由として、チップに印刷され製造番号と思われる文字の先頭が「82」「83」「84から始まるものは、それぞれ1982年~1984年に製造されたものと推測するが、 れらにはヘンコウ基板使用したものは見つからなかった。

1981年以前の製造番号と思われるものは、確認した限りでは「K」または「E」から始まる文字列のものが見つかったが、そのなかでもヘンコウ基板の使用されたものとされないものが混在しており、いつ頃境になったのかを判断するのは難しいかもしれない。

(調査2)
きこりの与作で基板番号はNo.97930の『ヘンコウ』印刷が無いタイプであるが、ゲームチップが42ピンのICソケット化されたタイプを発見した。
製造番号と思われる文字列から察するに、1981年製造の一番古いタイプか。

また、1981年製のゲームチップが実装されたギャラクシアンを発見したが、この基板には『ヘンコウ』の印刷は無かった。    

(結論)
『ヘンコウ』基板の存在は、ベースボールは確認した数が少ないので未知数だが、ギャラクシアンに関しては存在する可能性は極めて低い。

また、『ヘンコウ』基板を使用している数量としては、きこりの与作が一番多く、1981年6月中旬~9月頃のロットと思われるものが該当。
ビッグスポーツ12とバトルベーダーは同じく1981年6月中旬頃のロットと思われるものが該当しているが、1981年8月頃のロットと思われるものは「ヘンコウ」表記の無い基板であった。

調査を進めている中でもうひとつ気がついたが、1982年4月以降に製造されたと思われるロットには、カートリッジ基板のダイオード「S02」が省略されているようだ。

ラベルバージョンの違い

カセットビジョンJrの発売後、
  • きこりの与作
  • ギャラクシアン
  • バトルベーダー
  • パクパクモンスター
  • モンスターマンション
以上の5タイトルは新ラベルとして、カートリッジラベルの操作説明イラストがカセットビジョンと、カセットビジョンJrの併記に変更されたようだが、数が少ないのかあまり見ない。

また、マニュアルの操作説明部分のイラストもカセットビジョンと、カセットビジョンJrの併記に変更されたかは確認できていない。
所有しているカートリッジでは、ギャラクシアンが新ラベルだが、残念ながらマニュアルを持っていない。

新ラベルのカートリッジでもマニュアルには変更が無いようだ。
<参考:Web雑記さんのモンスターマンションの資料>

(次回は映像信号についてまとめる予定)


ドリフとか永谷園の味ぶし・鮭っ子とか物凄く懐かしいけど、それはともかくとしてこのカセットビジョンのCMは何だ?

カートリッジラベルが見たこともないものだがプロトタイプ版か?
 

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